ec-monthly-management-report
EC事業の月次経営レポート(売上・粗利・広告費・在庫・CVR・AOV・LTV・CPA・ROAS等)を作成するスキル。「EC月次レポート」「経営報告書」「KPIレポート」「売上分析」「チャネル別実績まとめ」「広告効率レポート」「在庫KPI」「LTV/CAC分析」「コホート分析」「次月施策提案」「経営者向けサマリー」など、EC事業の月次業績を経営者・責任者向けにまとめる作業で使う。楽天・Amazon・Yahoo!・自社ECの手数料構造を踏まえた実質粗利率、在庫回転率・滞留率・欠品損失、コホート別LTV、LTV/CAC比など、ECに固有の指標を網羅。前月比・前年比・異常値検出・要因分析・次月施策3-5個を1本のレポートに統合する。※個別KPI(広告単体・LTV単体)の深掘り分析や、モール別の運用レポートは別系列スキル。 【ALSEL独自スキル】株式会社ALSEL が、19年・5,000社超の EC 支援で得たノウハウをもとに開発したオリジナルスキルです。
SKILL.md 本文
EC月次経営レポート作成
概要
EC事業者の月次経営レポートを作成するスキル。売上だけでなく、粗利・広告費・在庫・顧客KPI(CVR・AOV・LTV)・チャネル別実質粗利率まで網羅し、経営者の意思決定に直結する形でまとめる。
KPIは前月比・前年比の両方で提示し、異常値(前月比±30%以上の売上変動等)を検出して要因分析につなげる。次月施策は3-5個に絞り、期待効果と予算の見積もりを併記する。
★最重要原則
「売上だけで判断しない・利益と在庫を必ず見る」。 売上が伸びてもキャッシュが減っていれば在庫増が原因の可能性が高い。チャネル別の表面粗利率と実質粗利率(モール手数料控除後)を分けて見ること、新規・リピート分解、LTV/CAC比を必ず提示することで、経営者が「次にどこへリソース投下すべきか」を判断できるレポートにする。
知識ベース(要点 + references/)
主要KPI早見表
| KPI | 計算式 | EC平均目安 |
|---|---|---|
| 売上高 | 確定注文金額合計 | - |
| AOV(平均注文単価) | 売上 ÷ 注文件数 | 業種別(アパレル1-1.5万・食品5千・BtoB5万) |
| 客単価 | 売上 ÷ ユニーク顧客数 | AOVの1.1-1.5倍 |
| 粗利率 | 粗利 ÷ 売上 × 100 | アパレル50-65%・食品20-40%・家電15-25%・コスメ60-80% |
| CVR | 注文件数 ÷ セッション数 × 100 | アパレル1-2%・食品2-5%・コスメ1-3%・高単価0.5-1.5% |
| ROAS | 売上 ÷ 広告費 | 業種5-10倍、新規獲得1-3倍、指名10倍超 |
| CPA | 広告費 ÷ 新規顧客数 | LTV未満が必須条件 |
| ACOS(Amazon) | 広告費 ÷ 広告経由売上 × 100 | ROAS逆数(ROAS 5倍 → ACOS 20%) |
| LTV | 平均購買単価 × 購買頻度 × 継続期間 | 業種・施策で変動 |
| LTV/CAC比 | LTV ÷ CAC | 3倍以上で健全、1倍未満は赤字 |
詳細:references/kpi-definitions.md
LTV計算の検算例
- 平均購買単価 10,000円・購買頻度 4回/年・継続期間 2年
- LTV = 10,000 × 4 × 2 = 80,000円
- 粗利率40%なら 粗利ベースLTV = 80,000 × 0.4 = 32,000円
広告費許容上限の例:推定LTV 30,000円・粗利率40%・投資回収係数0.5
- 上限 = 30,000 × 0.4 × 0.5 = 6,000円
- CPA 6,000円までなら採算合致
チャネル別の実質粗利(売上100万円のケース)
| チャネル | 仕入率60% | モール手数料・広告等 | 実質手取り |
|---|---|---|---|
| 楽天 | 60万 | システム5万+ポイント1万+アフィリ3万+決済3万+RPP5万+送料5万 = 22万 | 18万(売上の18%) |
| Amazon(ホーム&キッチン・FBA) | 60万 | 販売手数料15.4万+FBA配送4万+FBA保管1万+SP広告8万 = 28.4万 | 11.6万(11.6%) |
| Yahoo!(基本プラン) | 60万 | ポイント2万+アフィリ1万+決済3万+広告3万+送料5万 = 14万 | 26万(26%) |
| 自社EC(Shopify等) | 60万 | プラットフォーム2万+決済3.5万+広告10万+送料5万 = 20.5万 | 19.5万(19.5%) |
※手数料率は変動。最新は各サービスのヘルプ確認。詳細:references/channel-economics.md
在庫KPI
| 指標 | 計算式 | 目安 |
|---|---|---|
| 在庫金額 | 在庫数量 × 在庫単価(原価) | 月末 or 月平均 |
| 在庫回転率(月次) | 月間売上原価 ÷ 平均在庫金額 | アパレル0.5-1.0回/食品2-4回/家電0.3-0.8回/コスメ0.5-1.5回 |
| 在庫日数 | 平均在庫金額 ÷ 日次売上原価 | 30-90日 |
| 滞留率(90日以上) | 滞留在庫 ÷ 在庫金額合計 × 100 | 10%以下が健全、20%超で要対策 |
| 欠品損失 | 欠品期間の機会売上推計 | - |
在庫1,000万円増は現金1,000万円減と同義。「売上は伸びたが手元現金は減った」場合は在庫増が原因のことが多い。詳細:references/inventory-kpi.md
コホート分析・LTV
コホート=同じ時期に初購入した顧客グループ。新しいコホートのリピート率が改善していれば施策成功。落とし穴:観測期間不足、季節性混在、キャンペーン由来の質低下、「初購入」定義揺れ。詳細:references/ltv-cohort.md
異常値検出の目安
| 指標 | 異常検出ライン |
|---|---|
| 売上 | 前月比±30%以上 |
| 粗利率 | 前月比±5pt以上 |
| CVR | 前月比±0.5pt以上 |
| AOV | 前月比±20%以上 |
| 広告費 | 前月比±30%以上 |
| ROAS | 前月比±30%以上 |
| 在庫金額 | 前月比±20%以上 |
| 解除率 | 前月比±0.5pt以上 |
検出時はタイポ・データ集計ミス・施策の影響・市場変動 のどれかを切り分け。
処理フロー
Step 1:データ期間・集計条件の確定
売上の計上基準(注文確定/出荷/決済)、キャンセル・返品の処理、送料の扱いを社内ルールに従って統一。
Step 2:主要KPIの集計・前月比/前年比
売上・粗利・粗利率・AOV・CVR・広告費・ROAS・CPA・新規顧客数・在庫金額・在庫回転率・滞留率 を集計。前月比・前年比を計算。
Step 3:チャネル別実績・実質粗利率
楽天・Amazon・Yahoo!・自社EC のチャネル別に売上構成比・表面粗利率・実質粗利率(手数料控除後)・広告効率を分解。売上構成と粗利構成の乖離を見る。
Step 4:要因分析(伸びた要因・落ちた要因)
異常値(前月比±30%以上 等)を検出し、施策・キャンペーン・市場変動・データ集計ミスのどれが原因か切り分け。
Step 5:在庫KPIと機会損失
在庫回転率・滞留率を業種目安と比較、滞留在庫の処分計画、欠品損失の推計、Aランク商品の欠品率を確認。
Step 6:顧客KPI(LTV/CAC・コホート・リピート率)
12ヶ月LTV、LTV/CAC比、CAC回収期間、リピート率を提示。3倍以上で健全水準。
Step 7:次月施策を3-5個に絞る
施策・期待効果・予算をテーブルで整理。広告費追加・LP A/Bテスト・滞留処分セール・休眠復活キャンペーン等。
Step 8:経営者向けサマリー(5-8行)
売上・粗利・LTV/CAC・主要意思決定論点を冒頭で簡潔に。「数字の羅列」ではなく「次の判断」を促す文面に。
入力情報が不足する場合は冒頭に「仮定」「追加確認」を分けて明示し、仮定ベースの初稿を出す。
代表例:アパレル自社EC+楽天店+Amazon(3チャネル)
当月実績概要
- 売上:1,800万円(前月比+20%・前年比+28%)
- 粗利率:40%
- AOV:10,000円
- CVR:2.0%
- 広告費:180万円
- ROAS:10倍
- 新規顧客:450人(CPA 4,000円)
- 在庫金額:1,200万円(前月比+20%)
経営サマリー
売上は前月比+20%(1,800万円)、計画達成率110%。
楽天セール期間で楽天店が+30%、Amazonも+15%と好調。
ただし、広告費が前月比+25%と売上以上に増加し、ROAS 10倍は維持できているものの、
新規顧客のCPAが前月3,500円→4,000円と上昇。
【意思決定論点】
1. 楽天セール後の客足落ち込みを見越し、休眠復活施策の発動タイミング
2. CPA上昇傾向への対策(媒体配分/クリエイティブ刷新)
3. 在庫金額が増加傾向、夏物終売後の在庫処分計画
次月施策
| 施策 | 期待効果 | 予算 |
|---|---|---|
| 休眠復活メルマガキャンペーン | 復活率5%、+150万 | 0円 |
| 広告クリエイティブ刷新 | CPA -10% | 既存予算内 |
| 滞留在庫の特価セール | 在庫150万円処分 | 値下げ分の粗利影響 |
| 自社EC LP A/Bテスト | CVR +0.2pt | 制作費30万 |
他4業種(食品EC定期購入・コスメ自社EC・法人BtoB・立ち上げ初期EC)は references/examples.md。
出力フォーマット
# EC月次経営レポート [YYYY-MM]
## 1. 経営サマリー(5-8行)
[売上・粗利・主要トレンド・意思決定論点の要約]
## 2. データ期間・集計条件
- 期間:[YYYY-MM-DD ~ YYYY-MM-DD]
- 売上の計上基準:[注文確定/出荷/決済]
- キャンセル・返品処理:[当月差し引き/翌月処理]
- 送料の扱い:[含む/除く]
- 仮定(不足情報時):
- 追加確認したいこと:
## 3. 主要KPI
| 指標 | 当月 | 前月 | 前月比 | 前年 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | | | | | |
| 注文件数 | | | | | |
| AOV | | | | | |
| 粗利率 | | | | | |
| CVR | | | | | |
| 広告費 | | | | | |
| ROAS | | | | | |
| CPA | | | | | |
| 新規顧客数 | | | | | |
| リピート率 | | | | | |
| 在庫金額 | | | | | |
| 在庫回転率(月次) | | | | | |
| 滞留率(90日以上) | | | | | |
## 4. チャネル別実績
### 売上構成
| チャネル | 売上 | 構成比 | 前月比 |
|---|---|---|---|
| ... | | | |
### 実質粗利率(手数料控除後)
| チャネル | 売上 | 表面粗利率 | 実質粗利率 |
|---|---|---|---|
| ... | | | |
### 広告効率
| チャネル | 広告費 | 売上 | ROAS |
|---|---|---|---|
| ... | | | |
## 5. 要因分析
### 伸びた要因
- [具体的な施策・市場要因]
### 落ちた要因
- [具体的な原因]
### 異常値の切り分け
| 指標 | 異常値 | 原因仮説 |
|---|---|---|
| ... | | |
## 6. 在庫KPIと機会損失
| 指標 | 当月 | 前月 | 前年 |
|---|---|---|---|
| 在庫金額 | | | |
| 滞留在庫 | | | |
| 欠品損失推定 | | | |
| Aランク欠品率 | | | |
## 7. 顧客KPI(LTV/CAC・コホート)
| 指標 | 当月 | 前月 | 前年 |
|---|---|---|---|
| 12ヶ月LTV | | | |
| CAC | | | |
| LTV/CAC比 | | | |
| CAC回収期間 | | | |
### コホート別リピート率(直近6ヶ月)
| 初購入月 | 顧客数 | 1ヶ月後 | 3ヶ月後 | 6ヶ月後 |
|---|---|---|---|---|
| ... | | | | |
## 8. 課題
1. [課題1:構造的・短期的の区別]
2. [課題2]
3. [課題3]
## 9. 次月施策(3-5個に絞る)
| 施策 | 期待効果 | 予算 | 担当 |
|---|---|---|---|
| 1 | | | |
| 2 | | | |
| 3 | | | |
## 10. 経営者向け一言
[1-2行のメッセージ。「次にどこへリソース投下すべきか」を明示]
## 11. 配信前チェック
- [ ] データ期間・集計条件を明記
- [ ] 売上・粗利・在庫・LTVをセット提示
- [ ] チャネル別の実質利益率(手数料控除後)を計算
- [ ] 新規/リピート分解
- [ ] 前月比・前年比の両方
- [ ] 計算式の検算(AOV・CVR・ROAS・CPA・LTV)
- [ ] 異常値の要因分析
- [ ] 経営者向けサマリー(5-8行)
- [ ] 次月施策3-5個に絞る
- [ ] 意思決定論点を明示
品質ゲート
- 売上だけで良し悪しを判断していない(粗利・在庫・LTV/CACがセット)
- 表面粗利率と実質粗利率(モール手数料控除後)を分けている
- 計算式が検算済み(AOV・CVR・ROAS・CPA・LTV)
- 前月比・前年比の両方を出している
- 異常値(前月比±30%以上の売上等)について要因分析がある
- 次月施策が3-5個に絞られている(10個並べて全部やれない状態にしていない)
- チャネル依存度が60%超なら、リスク分散コメントを入れている
- 経営者向けサマリーが「数字の羅列」ではなく「次の判断」を促す文面になっている
- 立ち上げ初期EC:ROAS低くてもLTV/CAC比とCAC回収期間で判断する視点が入っている
- 在庫1,000万増は現金1,000万減と同義の視点で「売上は伸びたが現金は減った」ケースを見落としていない
エッジケース
- 楽天SS/お買い物マラソン期:売上集中するが粗利率が落ちる(ポイント増・送料無料施策)。「楽天売上+30%だがチャネル粗利率は-5pt」のように切り分け
- Amazon FBA長期保管料発生(在庫365日超):在庫費用増を粗利に反映
- データ集計の社内ルール変更直後:「集計方法を変更したため前月比は参考値」と明記
- キャンペーン由来の新規コホート:「初回特典目当て」が多くリピート率が低い傾向。獲得手段別にコホートを分けて見る
- 立ち上げ初期で前年データなし:「前年比なし」と明記し、月次成長率(前月比)と推定LTVベースの採算判断で代替
- モール契約解除・アカウント停止のリスク:チャネル依存度60%超は経営層に明示、リスク分散戦略の検討促す
注意事項
- モール手数料率・FBA料金・ポイント原資率は変動する。最新は各サービスのヘルプを確認
- 売上の計上基準(注文確定/出荷/決済)と送料・キャンセルの扱いは社内で統一し、毎月同じルールで集計
- LTVは「過去コホートの実績」と「将来予測」を混同しない。観測期間不足の新コホートはまだ確定値ではない
- 「No.1」「最安」表示は調査主体・期間・対象・方法・出典の明示が必要(景表法)
- 化粧品・健康食品の販売実績を経営レポートに記載する際、効能効果の表現は薬機法56効能の範囲内
- 個人情報・顧客固有データはレポートに直接出さない、集計値のみ
references/ 一覧
references/kpi-definitions.md:売上系・利益系・トラフィック系・広告系・顧客系・在庫系・マーケ系のKPI完全定義、計算式、業種別目安、異常値検出references/channel-economics.md:楽天/Amazon/Yahoo!/自社EC のコスト構造、Amazonカテゴリ別手数料率、売上構成と粗利構成の乖離、チャネル依存リスクreferences/inventory-kpi.md:在庫金額・回転率・在庫日数・滞留率・欠品損失・適正在庫の計算式、ABC分析、処分計画、キャッシュフロー影響references/ltv-cohort.md:LTV計算(シンプル式・粗利ベース・期間限定)、CAC回収期間、LTV/CAC比、コホート分析、リピート率改善施策、LTV予測references/examples.md:業界別5実例(アパレル3チャネル/食品定期購入/コスメサブスク/法人BtoB/立ち上げ初期)
参考公式情報源
- 楽天市場 出店者向け料金プラン・システム利用料ヘルプ
- Amazon セラーセントラル「販売手数料」「FBA料金」ヘルプ
- Yahoo!ショッピング 出店者向け料金・優良配送ヘルプ
- 国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」
- 経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」
ライセンス: MIT
詳細情報
- 作者
- 株式会社ALSEL
- ライセンス
- MIT
- 最終更新
- 2026/5/13